【海外ニュース】長時間労働、ワークライフブレンドは避けられない Wayfair創業者が従業員に充てたメモの賛否

未分類

家具・キッチン用品の大型ECサイトを運営する、アメリカの企業Wayfair。創業者のNiraj Shahは、業が再び利益を上げている今、従業員は長時間働くことを恐れず、「仕事と生活を融合させる=ワークライフブレンド」を避けてはならないと従業員に伝えるメモを送りました。

元ニュース:Wayfair CEO Niraj Shah says employees need to work longer hours— and ‘blend work and life’ By Patrick Reilly

Wayfair CEO Niraj Shah says employees need to work longer hours— and ‘blend work and life’
“Working long hours, being responsive, blending work and life, is not anything to shy away from. There is not a lot of history of laziness being rewarded with s...

創業者Shahが従業員に要求した内容とは

<記事要約>

  • Shahは、勤勉な個人として、努力が具体的な結果に変わる喜びを見ることで満足感を見出すと信じていると述べ、「長時間働くこと、迅速に対応すること、仕事と生活を融合させることは、遠慮するべきではない。怠惰が成功に報いられる歴史はあまりない」と続けました。
  • 彼は従業員に対し、会社の資金の使い方に気を付け、コストを下げるために取引を交渉するよう助言しました。

Wayfairの背景、コロナ禍の成功と利益減少

<記事要約>

  • Wayfairは、CNNが引用した最新の報告書によれば、2022年12月時点で約15,000人の従業員が在籍していました。コロナ禍にはオンライン小売業者に切り替える数千人の自宅待機型ショッパーのおかげで、家具やその他の家庭用品を販売するWayfairは成功を収めました。
  • しかし、店舗が国中で再開されると、2022年に利益が減少し、その年にWayfairは従業員の5%を解雇したとされています。

再び黒字へ、従業員の方向性を1つにハードワークを求める

<記事要約>

  • しかし、Shahの今月のメールでは、会社が再び黒字に戻っていると述べ、一緒にこの方向に漕ぐことでより速く勝利できると呼びかけました。「一緒に積極的で、実用的で、倹約で、俊敏で、お客様中心で、スマートであろう」と彼は書いています。

経済学者からの批判、長時間労働には給与アップが必要である

<記事要約>

  • 従業員にハードワーク、長時間労働を求めるShahのメッセージは、経済学者Nicolas Bloomから批判を受けました。
  • Bloomは「Wayfairが週80時間働くビジネスを運営したいなら、給与を50%上げなければなりません」とCNNに語りました。ちなみにですが、Shahの純資産は2022年時点でForbesによると10億ドルです。

長時間労働とワークライフブレンドは同義なのか?

皆さんは、この記事を読んでどう感じましたか?

経済学者Bloomが述べたように、会社から従業員に長時間労働を強いるには、もちろん給与アップが必要と考えます。例えば日本では、労働時間の限度を超えた時間外労働は、1時間あたり給与の25%以上の割増率の賃金が支払われるルールが労働基準法で定められています。「同じ給与なのに、なぜ長く働かなくてはいけないんだ?」という感情的な問題もあるでしょう。

又、労働時間の問題もあります。

日本の法定労働時間は1日8時間・週40時間と法律で定められており、時間外労働が発生する場合には36協定の締結・届出が求められます。今回の記事で「週80時間労働」と言及しているのは経済学者のBloomであり、実際にShahが80時間労働を具体的に指示したわけではなさそうです。しかし、長時間労働を強いるからには、その分の賃金報酬があって然るべきと考えられます。

一方で、Shahが述べた「怠惰が成功に報いられる歴史はあまりない」という点には同意します。短時間労働、週休3日で成果を上げた会社のニュースを目にすることはありますが、一般的にはまだまだハードワークこそが仕事の成功に結びつくでしょう。

しかし、今回言及したいのは、長時間労働とワークライフブレンドは果たして同義なのか?ということです。ワークライフブレンドとは、仕事とプライベートを共存させて人生を楽しむという考え方のはずです。「お客様の対応をするために、家に帰ってからもメール対応するべき」「休みの日も要望があれば迅速に回答するべき」という姿勢を会社から従業員に強要することは、ただ残業代の発生しない時間外労働を要求しているとも捉えられ、ネガティブな見方をすれば従業員の尊厳を損ねているとも感じられます。ワークライフブレンドは個人的に素晴らしい考え方だと思っているので、都合良い使い方で誤解されることがないようにしてほしいと思います。

元ニュース:Wayfair CEO Niraj Shah says employees need to work longer hours— and ‘blend work and life’ By Patrick Reilly

Wayfair CEO Niraj Shah says employees need to work longer hours— and ‘blend work and life’
“Working long hours, being responsive, blending work and life, is not anything to shy away from. There is not a lot of history of laziness being rewarded with s...

コメント

タイトルとURLをコピーしました